カルテの保存期間(5年)経過や廃院などにより、最初の病院で証明書が取れないケースは少なくありません。2番目以降の病院の記録や、客観的な参考資料を使って初診日を認めてもらう方法を解説します。
障害年金の手続きでは、最初の病院で「受診状況等証明書(初診日証明)」を書いてもらうのが大原則です。しかし、「もう10年以上前のことなのでカルテが破棄されていた」「最初のクリニックが廃院して連絡がつかない」といった状況は、実際の手続きでは非常によく起こります。
こうした場合でも、すぐに申請を諦める必要はありません。証明が取れない場合の具体的な進め方を順を追ってご説明します。
1. 「受診状況等証明書が添付できない申立書」の作成
最初の病院で証明が取れないときは、その事実と理由(カルテ破棄、廃院など)を説明する「受診状況等証明書が添付できない申立書」という書類を自分で作成し、2番目以降に受診した病院で初診日証明を取り直します。
もし2番目の病院のカルテに「前医(最初の病院)から○年○月頃に紹介された」「○年頃から別の内科にかかっていた」といった具体的な転医の経緯や日付が記録されていれば、それが有力な初診日の間接的な証拠(参考資料)として認められるケースがあります。
2. 初診日を裏付ける「客観的な参考資料」を集める
最初の病院のカルテがない場合、当時の受診の事実を客観的に示すために、手元に残っている以下のような資料をできる限り多く集めることが大切です。
- お薬手帳や処方箋: 当時の日付、病院名、処方された薬の内容がわかるもの
- 健康保険の給付記録: 保険組合から発行される「医療費のお知らせ」や、加入していた健康保険組合の受診記録
- 診察券や領収書: 病院名と当時の通院していた時期が直接証明できるもの
- 生命保険等の給付請求書類: 過去に民間保険の請求をした際、当時の診断書のコピーが保険会社に残っている場合があります
- 健康診断の結果表: 体の異変や再検査の判定が記載された時期の記録
- 第三者の証明(三親等以内の親族を除く): 当時、その病気で通院していた事実を知っている友人や元同僚などによる証明書類(※これ単体では認められないため、他の資料と組み合わせる必要があります)
3. 資料を組み合わせる際の手続き上の注意点
初診日の証明書類が手に入らないときは、複数の異なる資料を掛け合わせて、年金機構の審査側に「確かにこの時期に初めて受診している」と判断してもらう必要があります。
注意すべき点として、提出する資料の「日付」と「傷病名(または症状)」が、いま申請しようとしている病気とちゃんと言い切れる関係でなければなりません。例えば、胃潰瘍でかかっていた内科の領収書を、後になって発症した全く関係のないうつ病の初診日証明として提出しても、それは認められません。
最初の病院がなくなっているからと諦めてしまう前に、自宅の古い引き出しや、2番目以降の病院に残されているカルテの記載、当時加入していた健康保険の記録などを一つずつ丁寧に確認していくことが、手続きを前に進めるためのポイントとなります。