障害年金コラム

制度を正しく理解するための知識をまとめています。

心疾患(人工弁・ペースメーカー装着など)における認定基準と必要な診断書

心臓の疾患(狭心症、心筋梗塞、弁膜症など)により人工弁やペースメーカーを装着した際の障害等級や、検査数値の重要性について解説します。

心疾患(循環器疾患)は、日常生活でのちょっとした動作や就労時に「息切れ」「激しい動悸」「疲労感」などの症状として表れることが多い障害です。また、治療の一環としてペースメーカーや人工弁、ICD(除細動器)などを体内に装着するケースも珍しくありません。

これらの医療機器を導入した場合、障害年金制度上の「等級基準」が明確に定められています。

1. 装着した医療機器による認定等級

体内に特定の医療機器を装着した場合、原則として以下のように等級が判定されます。

  • ペースメーカー、ICD(植込型除細動器): 装着した場合は、原則として**「3級」**に認定されます。
  • 人工弁(弁置換)、人工血管(大動脈解離など): 施術を行った場合は、原則として**「3級」**に認定されます。
  • 補助人工心臓: 装着した場合は、原則として**「1級」**に該当します。

※これらの医療機器を装着した日は「障害認定日の特例」が適用され、1年6ヶ月を待たずに**装着・手術を行った日**から年金の申請が可能になります。

2. 医療機器がない「心筋梗塞・心不全」の基準

ペースメーカーなどの手術をしていない場合でも、慢性的な心不全や心筋梗塞、狭心症により著しい制限がある場合は受給の対象となります。

この場合は、**「臨床所見(自覚症状や医師の観察)」**と**「検査数値(心拍出量や射出率、METs値など)」**、そして日常生活や労働における**「活動能力の低下(一般状態区分)」**の3つの要素を組み合わせて総合的に等級(1級〜3級)が判断されます。

3. 診断書・申立書の対策

心疾患の診断書には、坂道での息切れの有無や、平地を歩ける距離など、身体を動かした際の細かな状況を反映させる欄があります。診察時、医師に「普段どんなときに息が切れて動けなくなるか」を正確に伝えることが重要です。

また、職場での重い物の持ち運びができない、階段の上り下りに時間がかかるなど、「就労における制限」についても、申立書でしっかりと肉付けしていくことが大切になります。